串間市子ども読書活動推進計画


は じ め に
 

 子どもの読書離れが指摘されている中で、子どもの健やかな成長にとって、読書がもたらす様々な効用を考えると、子どもの読書環境を計画的に整備していくことは、重要な課題でもあります。
 子どもたちは素晴らしい本との出会いにより、言葉を学び、表現力を高め、創造力を豊かにし、そして感性を磨いていきます。心の教育には読書が必要であり、子どもたちの心を豊かに耕し、生きる力を育むという観点からも極めて重要であります。「本を読み」「読んで考え」「考えて行動する」子どもたちが育つならば、青少年に関する多くの問題点も解決されるのではないでしょうか。
 串間市は、本年度市制施行50周年の大きな節目の年にあたり、本市の教育方針は「たくましいからだ」「豊かな心」「すぐれた知性」をそなえ、郷土に対する誇りと柔軟な国際感覚にあふれ、新たな時代を切り拓いていく気概を持ち、心身ともに調和のとれた人間の育成を目指すことを基本目標に掲げています。
 そのためにも、子どもがより自主的な読書活動ができる環境を整備・推進することは重要な教育行政課題でもあり、その指針として家庭、地域、学校等が連携・協力しながら子どもの読書活動を総合的かつ計画的に推進することが必要であることから「串間市子ども読書活動推進計画」を策定しました。

 

平成17年3月

串間市教育長 五島千
 


第1章 基本的な考え方

 

 この推進計画は、子どもがより良い環境のもとで読書活動ができることを目的に、また「家庭における読書活動推進のためのアンケート調査」の結果をもとにして、次のことを基本的な計画内容の柱として位置づけを行いました。

 

 1.子どもの読書活動を推進するための取組

  (1)家庭・地域(自治公民館・地区親子会等)における読書活動の推進

  (2)保育所(園)・幼稚園・学校・図書館等における読書活動の推進

 

 2.子どもの読書活動を推進するための啓発・広報      

 3.この計画期間は、平成17年度から概ね5年間とします。

  このような基本的な考え方をもとに本計画を効果的に推進するため、関係機関・団体等が連携協力しながら、家庭、地域、学校が一体となった取組が進められる環境づくりに努めます。 
 


第2章 計画の内容

1. 子どもの読書活動を推進するための取組

(1)家庭・地域における読書活動の推進
 

(現状と課題)

 ・家庭を取り巻く環境が複雑化かつ多様化してきている今日、子どもの生活環境も変化し、子どもの「読書離れ」が指摘されています。

 ・子どもが自主的に読書を行うためには、保護者が本の楽しさを必要です。

 ・アンケート調査によると、読書や読み聞かせに興味・関心がある保護者が多いが、継続的な取組が難しく、絵本の選定に戸惑っている人もいるようです。

 ・保護者に対して、絵本の読み聞かせを行い、見る、聞く楽しみを体験してもらうとともに、家庭における絵本の読み聞かせの大切さなどの研修を行うことが大切です。

 ・子どもの読書活動を推進するためには、それぞれの地域(自治公民館・地区親子会等)が子どもの読書活動の重要性を理解し、関係機関・団体等と連携・協力しながら、それぞれの役割を果たしていくことが大切です。

(推進に向けての取組)

 ・子どもが本の楽しさを知り、親子のふれあいを深めながら、読書が習慣となるよう家庭の読書環境づくりに努めます。

 ・市立図書館、子育て支援センター育児不安解消のため、育児相談を行うところ。等をとおして、家庭における絵本の選定、読み聞かせ講座などの支援を行います。 

 ・地域における読書活動を推進するため、市立図書館、保育所(園)、幼稚園、子育て支援センター、小・中学校、読み聞かせボランティアなどの組織のネットワーク化を推進します。

 ・親子で取り組む活動の一環として、子どもの発達段階に応じた読書タイム(10分〜30分程度)の推進に努めるとともに、親子読書活動の啓発に努めます。

 ・「生涯学習だより」などに、子どもの読書活動の推進に関する情報を掲載し、家庭での子どもの読書環境づくりの啓発に努めます。
 


(2)保育所(園)・幼稚園・学校・図書館等における読書活動の推進

  ア.保育所(園)・幼稚園における読書活動の推進

(現状と課題)

 ・保護者に「保育所(園)だより」などで、絵本の大切さ、読み聞かせによる親子のふれあいの大切さを伝えていく必要があります。

 ・保護者に対しての読書活動事業、育児に関しての学習会、読み聞かせ活動の講演会など情報を提供する必要があります。

 ・子どもと一緒に絵本を読むことで、子どもとのスキンシップや精神的な一体感を感じる人、満足感を持っている人が多いことがアンケート調査により把握できました。            

  ・年間をとおして、子どもの読書活動推進のためのイベントをより多く行う必要があります。

(推進に向けての取組)

 ・「保育所(園)だより」等において、絵本の紹介や読み聞かせの大切さなど内容充実に努めるとともに、親子ふれあい活動の一環として保護者と連携・協力し、絵本の読み聞かせ会等を行います。        

 ・保護者の子育てに必要な読書活動や学習会、講演会などの情報提供に努めます。

 ・保護者、子育て支援センター等とも連携・協力し、「おはなし会」「読み聞かせ講座」などの開催に努めます。

 ・市立図書館の団体貸出制度を最大限に活用して、子どもがいつでも本と出会える環境の整備に努めます。

 ・乳幼児期に絵本の楽しさと出会えるよう、年齢や発達に応じた図書の充実に努めます。

 ・保育所(園)・幼稚園では、毎日子どもに読み聞かせを行います。


 イ.学校における読書活動の推進

(現状と課題)

 ・学校図書館における蔵書は、市内の小・中学校合わせ60,933冊で、児童生徒一人当たりの図書冊数は30.9冊となっています。また、学校図書の国の図書標準数に対する充足率は、小学校58.12%、中学校63.98%となっています。(平成16年3月末現在)

 小・中学校の時期は、たくさんの本との出会いによって、受ける感動・発見などで心の豊かさを育み、生涯にわたる読書習慣の基礎を身につけることが大切です。

・小・中学校では、保護者や地域のボランティア等と連携して、本の読み聞かせやストーリーテーリング絵本なしで、お話を覚えて語ること。などを充実させて、子どもの読書への意欲を高める必要があります。

 司書教諭学校図書館法第5条及び附則第2項の規定により、平成15年度以降、12学級以上の学校に、司書教諭を必ず配置しなければならないこととされている。または学校図書館担当者が中心となり、図書の収集、選本を行い学校図書館の蔵書充実を図ることが重要です。

 ・各教科等での調べ学習において、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動を充実するため、学校図書館と市立図書館との連携を図ることが大切です。

 ・各小・中学校の司書教諭または学校図書館担当者による読書指導や意見交換、研修などをとおし、読書指導の充実を図る必要があります。

 ・「学校図書館だより」などに、保護者に対しての推薦図書の紹介を行い、読書への関心を深め、家庭での読書活動を推進する必要があります。

 ・図書館まつりなどのイベントへの協力をとおし、児童生徒に対するボランティアの育成を図る必要があります。

 ・学校図書館と市立図書館の連携により、ヤングアダルト中学生から高校生くらいの年頃を指して言う語。などの図書の充実が必要です。

  (推進に向けての取組)

 ・学校図書館の整備充実については、年次的に進めてまいります。

 ・学校図書館システム(電算化)の導入を目指し、市内の各学校図書館の整備・充実に努めます。

 ・小・中学校における「朝の10分間読書」など、子どもの自主的な読書活動の推進に努めます。

 ・司書教諭または学校図書館担当者及び全ての教職員が子どもの読書活動への理解と協力を図るため、研修会等への積極的な参加を推進します。

 ・司書教諭または学校図書館担当者は、学校図書館の運営、活用を図る上において、その中心的な役割を担うものであり、専任の司書教諭の配置も含めて要望してまいります。また、将来に向け巡回指導員制度を導入し、各学校に対して学校図書館の整備、読書指導、ブックトークあるテーマのもとに複数の図書を紹介すること。等行うよう努めます。

 ・各教科等での調べ学習に生かすため、学校図書館と市立図書館との連携を図りながら、夏休み期間中におけるテーマ展示など積極的な活用に努めます。

 ・「学校図書館だより」等により、推薦図書、新着本などの紹介を行い、保護者も含めた家庭における読書活動の啓発に努めます。

 ・各中学校、高校とも連携し、図書館イベントへの協力、図書館での体験学習をとおしたボランティア意識の高揚と啓発に努めます。

  ・小・中学校は、親子で取り組む活動の一環として、家庭での読書タイムを推進していきます。

 ・本の選定に当たっては、司書など専門家のアドバイスを受けながら有効な図書の活用を図ってまいります。

 いかに「本が好きな児童生徒」を育てて行くか、そのための方策について校内研修会等の充実を図ってまいります。 


ウ.市立図書館における読書活動の推進

(現状と課題)

 ・市立図書館は、子どもの読書活動に携わっている施設であり、子どもの読書活動を推進するうえで重要な役割を担っています。

 ・市立図書館における蔵書数は、児童書25,486冊、絵本11,146冊、紙芝居394冊となっています。(平成16年3月末現在)

 ・昨今の子どもの読書に対する多種多様な要求に応えるため、絵本から児童書・青少年向け(ヤングアダルト)の蔵書の更なる充実が求められています。

 ・障害のある子どもの読書活動を推進するためには、障害の特性と年齢に応じた図書の整備充実が求められています。

 ・図書館情報システムの整備により、インターネットでの蔵書検索や、県内各図書館との横断検索システムを利用した相互貸借など子どもの読書活動サービスの充実を図っています。

 ・赤ちゃんと一緒に絵本との出会いを楽しみ、喜びを分かち合うためのブックスタート事業赤ちゃんの頃から絵本に親しむように、絵本をプレゼントする事業。を行っています。

 ・市立図書館では、毎月第1、3土曜日に子どもを対象に絵本の読み聞かせを行っています。

 ・子ども読書活動の一環として、「私のすすめる本」の編集を行っています。また、こどもの読書週間(4月23日〜5月12日)にむけて、「子ども読書の日に図書館員がすすめる本」のチラシを配布し、子ども読書活動の啓発に努めています。

 ・図書館から遠距離にある地域に居住する子どもに対して、移動図書館車による図書の貸出・返却を実施しています。

(推進に向けての取組)

 ・子どもの多種多様な読書ニーズに応えるため、発達段階や年齢に応じた図書の充実に努めます。

 ・図書館司書及び図書館職員の専門的知識、技術が向上するための研修会等に積極的に参加します。

 ・図書館における絵本の読み聞かせについては、ボランティア団体等との連携を図りながら、中学生・高校生のボランティア体験をとおしてその育成に努めます。

 ・読書週間(10月27日〜11月9日)内に図書館まつり等を継続的に実施し、児童生徒の自発的なボランティア活動を支援します。

 ・家庭における読書活動を推進するため、図書館システム、インターネットなどを活用し、子どものレファレンスサービス利用者が調べたい内容が書いてある本を紹介する業務。の充実に努めます。

 ・ブックスタート事業については、市福祉保健課、子育て支援センター、ボランティア団体等との連携を図りながら、その内容充実に努めます。また、幼児向けの推薦本などのパンフレットづくりも行います。

 ・障害のある子どもの読書活動の推進については、障害の程度や特性に応じたサービスの提供に努めます。

 ・「私のすすめる本」については、子どもの素直な気持ちを大切にし、読書活動の一環として、今後も継続して行います。

 ・移動図書館サービスについては、子どもの読書活動を推進するため、保育所(園)・幼稚園・小・中学校など巡回し、サービスの向上と充実に努めます。

 


第3章 子どもの読書活動を推進するための啓発・広報

 

1.子どもの読書活動を推進するための啓発・広報 
 

  ・市広報誌や図書館のホームページ等をとおして、読書活動の推進に関する情報や啓発資料を家庭、地域、学校等に積極的に提供します。

 ・読書活動の推進の輪が広がるよう、図書館まつりの開催など積極的な事業の展開を図ります。

 ・優良図書を推薦し、家庭、地域、学校などへの周知、普及、啓発を行います。

 ・読書週間、「子ども読書の日」(4月23日)などには、マスコミや各関係機関・団体等の協力をいただきながら、読書活動の啓発を行います。

 ・読書活動推進に関する情報の収集、提供に努めるとともに、その状況について図書館協議会図書館の運営に関し館長の諮問に応じたり、意見を述べたりする機関。等において分析・検討し、読書活動の推進に努めます。